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2017年2月22日水曜日

Strymon Time Line まとめ



 Strymon Time Lineの紹介です。
 (ストライモン タイムライン)
 
日本の代理店、オールアクセスのリンク。
http://www.allaccess.co.jp/strymon/timeline/


 ずいぶん前の話。
 Strymon製品が日本で購入出来るようになり始めたころ、BlueSky Reverbをyoutubeで聴いたときに「これはいい!」と一瞬で答えが出たのを今でも覚えています。
 今まで聴いてきたReverbとは違うまったく異質な音で、そのときは標高の高い山の頂上で感じる、透明で澄み切った朝焼けのような空間を提供しているように感じました。
 ちょうど使えるReverbはないかと探していた時期でもあったので、すぐにStrymonのReverbを購入しました。いまでもStrymonのReverbは愛用しています。

 そこで今回のTime lineですが、Time Lineが発売されるタイミングでTape echoが欲しいという需要もあって手に入れました。Time LineのTape echoは音がキレイすぎるという点を除けば、すごく使い勝手が良くていいエフェクターと感じています。
 私がよく使うDelay Typeとしては、テープエコーを再現したdTAPE Echo simulation、クリアで輪郭のはっきりしたDIGITAL DELAY、LRで再生すると面白い表現が出来るDUAL DELAY、です。
 Strymonの他のエフェクターについても言える事ですが、ラックエフェクターと比べても劣らない性能で、電源管理をしっかりすればノイズは全く無いといってもいいくらいになります。特にTime lineはこれ1台あれば他のディレイエフェクターを使う機会が減るくらい良く出来ていると感じていて、私は全知万能のディレイと心の中で言っています。 

 この全知万能のディレイの欠点をあえて言うなら・・・
 音が綺麗すぎるということではないでしょうか?

 補足として、私はギターは触らない人で、シンセ基準で感じたこと。というのを付け加えておきます。

 キレイすぎることが欠点というのはおかしな話ではあるけれど、Time Lineのディレイを音数の多い曲や、全体的に歪成分の多い曲の中で使うと、ディレイのフィードバック音が目立たなくなってしまうことがあります。これは、ディレイのフィードバック(帰ってくる音)が歪んでいないキレイな音のため、Mixすると目立たなくなるのが主な原因だと考えています。
 ディストーションなどで歪ませて音を目立たせることはよく使う方法。そのことをStrymonも解ってなのか?Time Lineの全てのDelayタイプは歪ませることが出来るようになっています。問題はこの歪みがStrymonの歪みであること、すごくキレイな歪みになってしまっている・・・。めいいっぱい歪ませると違和感のある変な目立ち方をするため、私はだいたい20~30%くらいで使っています。
 私は普段、歪ませる以外にも目立たせる方法を取り入れています。
 それは、Time Lineを使うときは直接通すのではなく、ミキサーのSend Returnを使って通すという方法です。この方法ならReturnのGAIN UPが出来るので、感覚的にDelayのフィードバックの音量をコントロールできるようになります。(使用するミキサーによっては出来ないのもある)
 Time Lineの本体内でも出力レベルを調整出来ますが、それほど音が大きくならないという印象です。

 ただし、ここまで言っておいて付け加えるのもなんですが・・・。
 Ambientなど曲の制作スタイルによっては、Time Lineのクセの無いキレイな音は非常に魅力的になります。上での意見はあくまでも私の制作スタイルが背景にあると思ってください。


 ・・・ テスト ・・・


 上で説明したTime Line内のGAIN UPと歪み、ミキサーのGAINコントロールによってどれくらいDelayの聴こえ方が変化するのか、比較するために簡単な曲を作り録音をしました。
 使用したDelayモードはDUALモードで、曲の中ではxOxbOx(TB303のクローン)のみにTime LineのDelayをミキサーのSend Returnを使って通しています。最初はKickとbaseline(xOxbOx)からはじまり、音数を増やしていって、後半からは音数を減らしてまたKickとBaselineに戻るという流れです。
 

 /// Normal ///
 GAIN調整など無しの何もしない状態での録音です。


 /// 3.0dB ///
 Time Line内で音量調整が出来るので3.0dB(最大)まで上げた状態での録音です。


 /// GRIT ///
 下の段、左から2個目のノブ。GRITを最大にした状態での録音です。


 /// Returns ///
 ミキサーのReturnsノブを3時のところまで回して録音しました。


 /// SPX990 ///

 StrymonのTime Lineと他のエフェクターとの比較対象として、私が所有するDelayを出せるエフェクターの中で一番評価の高いSPX990を使いました。
SPX990とTime Lineを比べたときの評価のお話しをしますと、SPXはラックであること、TimeLineより操作が面倒であることです。
 物理的な問題を除けば、私の中ではTime LineよりもSPX990に軍配が上がります。
 SPXのDelayは音が埋もれるのではなく、空間によくなじむという表現が当てはまります。単純にフィードバックの音量を上げただけでは出せない存在感がSPXにはあります。
 ただし、自由度の高さと表現の広さではTime Lineに軍配が上がるので、私の中ではどちらも一長一短あるという結論になっています。




 ・・・ DELAY ・・・

 TimeLineのDelayタイプは12種類。
 それぞれのDelayタイプをコントロールするパラメーターがあり、非常に充実した音作りが出来るようになっています。Time Lineが単に音がいいだけのエフェクターで終わらせない理由がここにあります。

 ちょっと変な使い方で個人的に気に入っているところを上げますと・・・。
 REVERSEモードはリズムを入れると面白いことになりますw
 あとLO-FIモードではDelay Timeを最小にして、MIXをMAXにするとローファイエフェクターの出来上がりです。REPEATSを上げていくとフランジャーのような効果が出て面白いです。FILTERモードでも同じ方法でワウのような使い方が出来ます。

 ところで、youtubeでStrymonのTime Lineを検索しても、多くがギターを通した音ばかりで、シンセを使う立場では判断が付きくいと思います。そのため私はxOxbOxを通した音を録画しました。以下、解説付きで紹介しますので何かの参考になればと思います。

 注意:非常に気持ちの良いディレイ音のため、全て通して聴くとかなり眠たくなってしまいます。

 /// dTAPE ///

  このモードはテープエコーを再現したもの。
 以前、ローランドのテープエコーを触ったことがあるのですが、このTimeLineはそのテープエコーの特徴を上手く再現していると感じました。といっても、こちらはステレオアウトでノイズが少ないという違いはありますが・・・。
 TimeLineを触って感じたことで2つほど面白い点があります。一つはディレイタイムを変えると滑らかに変化する点、もう一つはFILTER,GRIT,SPEED,DEPTH,ノブ(下の段のノブ)を触ると、テープエコー独特な揺らぎやビンテージ感を出せるところです。
 ただ欲を言えば、ディレイタイムを変化させたときの揺らぎはもう少しモジュレーションがかかって欲しかったのと、歪み成分が足りないというところです。
 それでも、ステレオで使えるということだけで私は満足しています。


 /// dBUCKET ///

 dBUCKETモードはアナログディレイに使われるBBDチップを再現したもの。
 アナログディレイの特徴のフィードバックが劣化していくところを再現しています。
 GRITノブを80%くらいにしたあたりのすると、私のお気に入りのエフェクターEHXのmemory boyにちかいディレイになるので気に入っています。あと、発振させたときの歪み具合も良いです。


 /// DIGITAL ///

 非常にきれいなディレイのDIGITALモード。
 DEPTHノブを回すとステレオ感が増すのでお気に入り、クリアな音が特徴なので音数の少ない曲ではいい空気感が出ます。逆にわざと劣化させる設定もあるので、使える範囲は広いと思います。内部操作でSmear(スミア)というのがあって、音をにじませた状態にする設定なのですが、これが良い味を出してくれます。
 あと、良い意味で発振させた音は少し耳を痛くします。


 /// DUAL ///

 2つの独立したディレイをコントロールするモード。
 お気に入りは、CONFIGのパラメーターをPARALLELにすると左右独立したディレイを再生できるところです。ステレオディレイの良さが生かされるので、私はこのモードをよく使います。


 /// PATTERN ///

 上のDUALモードのPARALLELに近いですが、こちらのほうが規則正しいかもしれません。
 個人的に面白くて気に入っているところは、パラメーターのSMEARを最大にして、PATTRNを14~16あたりにするとリバーブのようなアンビエント感が出せるところです。
 さらにDEPTHノブを回すと良い空気感が出るので、ストリングスなどを通すと面白いです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ここから紹介するモードはあまり使わないモードですw
 使えないモードというわけではないのですが、Strymonなりの面白いディレイを用意してくれたという印象です。そのためミキサーのリターンで使うよりも、直接音源を通して使うと面白い発見が出来るモードが多いです。
 一言で言うと「音加工のためのモード」といったところでしょうか?


 /// REVERSE ///

 その名のとおりディレイが逆再生で再生されるモード。
 逆再生の再生ポイントを微調整出来る設定があれば、もう少し面白いことが出来るかと思うのですが・・・。あまりお世話になることが少ないモードの一つw。


 /// ICE ///

 ディレイにピッチシフトを加えたモードです。
 上で紹介したSPX990にも似たものがあり強烈な印象を与えてくれるのですが、こちらのほうが操作性が良くておとなしい音なので使いやすいです。


 /// DUCK ///

 ダブをする人ならお世話になるモード。
 REPEATSノブを最大にすればひたすらリピートされ続けます。
 設定によっては再生中にディレイ音がならないように出来るので、使い方によっては面白い効果が期待できます。


 /// SWELL ///

 取り説ではディレイ音をボリュームペダルで・・・と書いていますが、要するにディレイのアタックタイムをコントロール出来るモードということです。
 ディレイの頭が丸く表現されるため、音がやさしい雰囲気に仕上がります。


 /// TREM ///

 ディレイにトレモロ効果を加えるモードです。
 シンセパッドなどを通して、パラメーターのSPEED設定を2/1くらいにすると良い感じに仕上がります。


 /// FILTER ///

 ディレイ音にフィルターモジュレーションをかけることが出来るモードです。
 こちらも上のTREM同様にシンセパッドを通して、遅めのフィルターモジュレーションをかけると良い具合にシンセ音が強調されます。


 /// LO-FI ///

 ディレイ音をローファイ、ロービットに出来るモード。
 Bitを下げればチップチューンのような音になり、ロークオリティなスピーカーの再現もあって、声を通すと面白いことになります。
 上で紹介したとおりMixノブを最大にし、モード設定のMixも最大(一番右のL)にしてTIMEノブを最小にすればローファイエフェクターになります。
 以外と面白い発見があるので遊べますw




 ・・・ 最後に ・・・
 Time Lineはギター用に開発されたものですが、他の音源でも十分な性能を発揮してくれます。とにかく高品質なDelayが欲しいという方は持っておいて損は無いはずです。
 ただし、全く今までエフェクターを触ったことが無い人には、このTime Lineの操作は難しいように思います。日本語取り説は良くできているので、よく読むことをお勧めします。

 ところで、最近私はDelayに関して面白い発見をしました。
 もう少しテストを繰り返し、煮詰まりはじめたら紹介したいと思います。


 この記事をきっかけにDelayで遊ぶ方が増えることを願って。