2018年12月22日土曜日

BEHRINGER MIC2200 Ultragain Pro / ART TPS II 導入




BEHRINGER MIC2200 Ultragain ProART TPS II
2つのマイクプリを導入しましたので紹介します。




❚ マイクプリの導入理由 ❚

導入する理由としてはDigitaktの音の問題があって、そもそもDigitaktの音はリズムマシンとして使う場合に音抜けが悪くてミックスで気を使います。そう、他の音に埋もれやすいです。

で、埋もれやすい音と言っても私の制作スタイルが原因だと思うところがありまして・・・アナログ音源を多用するのと、音数が多い曲を作るためどうしてもDigitaktは音負けしてしまうわけです。

私が言いたいことを説明するために過去に使ってきたリズムマシンについて説明します。


Acidlab Miami

MiamiはTR-808のクローンですが、こいつは一番理想的で良い音が出ます。とにかく埋もれずに他の音を邪魔しないリズムマシンです。



TR9090

TR9090はその名のとおりTR-909のクローンですが、これも同じく埋もれずに邪魔しない音です。そしてミックスバランスが良く仕上がります。



Korg ESX

続いてはKorg ESXをリズムマシンとして使った録音です。
MiamiやTR9090と比べると低域の”柔さ”が気になるのですが、まあ許せる範囲かなぁって思って使っていました。やたらとこだわる私がESXを許せる理由としては、スネアやハイハットの音ヌケが抜群に良いからです。

こういう音はTranceなど音数の多い曲で威力を発揮します。以下、動画とアルバムではESXのリズムをメインにしています。






Digitakt

そして問題のDigitakt

どうしてもデジタル臭いと言いますか・・・”デジタクト”って言うんだから仕方ないですか?中高域の弱さやアタックの弱さが目立ってしまいます。特にハイハットなんかはインパクトが弱くなります。これでもあれこれ工夫して頑張ったほうです。


ただ、Digitaktだけで曲を作るとミックスバランスはとれるのでけっこうイケてます。音が埋もれるなんて気にしなくて良いわけですから。




たぶん言いたいことは伝わったかと思います。長年、アナログリズムマシンを使い続けてきた私の耳にはDigitaktの音は”やっぱりデジタルな音”に聴こえるわけです・・・なんて文句を言ってますがDigitaktは十分な音を出せていると思いますよ?問題は今まで使ってきたリズムマシンと比べて弱いってことです。
中高域が弱いとアタック感がなくなるのですが、それが問題なように思います。

しかし、ESXって真空管を除けばデジタルだけどなんであんなに良い音出すのか?という疑問は残るわけで。デジタルでアナログ回路を再現しているからですか?



ところで、Digitaktに文句を言いながらもなぜ使うのかというと?理由は簡単で”耐久性”があるからです。
もうかれこれ1年と半年使いましたがマスターボリュームにちょっとガリがあるのと、よく使うからだと思いますが[FUNC]ボタンが少し剥げてきてるくらいであとは問題ありません。私が使うとマシンはすぐつぶれるんですけどすばらしいですよ!Digitakt

過去の話しをしますと・・・

※これから言う内容は、毎日曲を作らないと気が済まない人の話です。普通の人はもっと長持ちするらしいので安心してください。念のため。

AcidLab Miamiはだいたい3ヶ月で表面に印字されている文字が半分消えてしまい、1年でノブにガリが出ました。機材ペイントを始めた理由はこいつで、消えた文字を自分で書いたのが始まりです。
で、ノブのガリは分解して、スプレーかけて、グリス入れてという感じに毎年自分でメンテをしてましたが、もう無理!ってなったので今はオーバーホールに出してます。

TR-9090、これは元々の出来が悪く、S/N比のこともありメンテに出しています。

ESXは1年で表面の文字が消えてしまいました、そのためこいつもペイントです。あと1度買い替えをしましたが2年ほどで数値飛びやボタンの反応が悪くなります。この症状はけっこうあるみたいで、中古で買う方は気を付けてください。
で、反応が悪くなるたびに分解して自分で何とか直したりしてきたのですが、どうしようもなくなりましたので今は音源として使っています。触らなければ問題ないんです。





で、そんなこんなでDigitaktの音をどうにかしようと考えて手に入れたのが2つのマイクプリです。





❚ Ultragain Pro ❚
まずはBEHRINGER MIC2200 Ultragain Proです。

これ、有名なやつです。

BEHRINGERの製品は当たりハズレがあるって昔から言われていて、ハズレのやつはとことん作りが悪くてダメダメなんですが、その完成度のチープさから”一部”の需要に対しては奇跡的に上手く折り合いがつくといいますか、要望に応えてくれるという意味での当たりがあるわけです。
多くの場合はいわゆるダイソーサプライズ(この値段でこのクオリティは凄いみたいな)による高評価ですが、MIC2200 Ultragain Proについては純粋に当たりなやつです。
中古が安いです。そのため、新品を買うよりも中古で手に入れて真空管を交換すればクオリティを上げることが出来て良いんじゃないかって思います。
あと個体差があるみたいで、私は購入時に3台を聴き比べて一番音がよく歪んでるものを選びました。個体差というよりは真空管の消耗具合による違いなだけかもしれません。とりあえず、どうせBEHRINGERだしどっちでも良いんじゃない?選ぶ時は直感を信じました。





❚ 真空管の交換 ❚

もともと付いている真空管は私の需要に応えてくれないので交換が必要です。そこで中身を開けて交換したのですが、意外とコツがいるみたいで次に交換する頃には忘れてそうなので書いておきます。

はい、中身はスカスカです。

さすがベリガー!って褒め言葉みたいになっていますが、相変わらず半田や基盤の配線は雑です。gizm0xが作るxOxbOxの基盤を見てきましたので、BEHRINGERのブレない”ザ!雑クオリティ”をみると自分でも作れるんじゃないかって自信が湧いてきます。
きっとパートのおばちゃんが「今夜は孫が家に来るから麻婆豆腐でも作ろうかしら」なんて考えながら組み立てたんでしょう。



なぜ中身を開けたのかと言うと真空管を交換するためなんですが、この状態では真空管が見えても交換は出来ません。


真空管をはずすには基盤を取り出さないといけませんが、そのためには基盤をこの白いゴム製のレールのミゾになってるところまでずらす必要があります。ですが、ここでチョットだけコツがいります。
フロントノブを外したあと、アルミ製のフロントパネルが”コ”の字になっているのでこれをグイッと広げてノブを外したポットをプッシュします。


なんとかスライドしてはずすことが出来ました。

あとは交換するだけです。





❚ ART TPSⅡ ❚
次はART TPSⅡです。


中身はMIC2200 Ultragain Proと比べて密度が高いです!重いだけあって。あと同じトランスですかこれ?真空管の交換は簡単なんですが、ソケットになる基盤が折れそうな構造なので慎重に外してください。




❚ 真空管テスト ❚

いくつかお借りしたのと、手元にあったのでテストをしました。テストの手順は、Digitaktでリズムを作って1フレーズを再生。で、ART TPSⅡに通して録音という流れです。MIC2200 Ultragain Proは交換の手間があるので検証は無しです。


結果、どれも期待していたほど変化はないです。
JJ ELECTRONICTUNG SOL ELECTRON TUBEの2つは音が明確に出てたので良いんじゃないかって思いましたが、わざと思いっきり歪ませたときにEHXだと個性的に歪んでくれたのでEHX Gにしましょうという結論。音を明瞭にするよりも、インパクトを選びました。


EMX ESXの時からお世話になってますが、真空管を買うときはこのお店です。



Amazonで販売しているみたいなのでこちらで購入しました。

難しいことは気にしないって人は安いのを探すといいです。





❚ 最後に ❚

マイクプリを導入してどうなのか?と言いますと、やっぱりDigitaktの音はエレクトロンだなぁという感想です。この”エレクトロン”という言葉の中には良い意味と悪い意味が48対52の割合で含まれます。

1年ちかくDigitaktを納得のいく音に出来ないものかとアレコレやってきましたが、今は思考を変えてDigitaktの音で使えるリズムを作ることを目指しています。はい、スイッチの切り替えは大事です、本当にアレコレやったんですから。



そして、2つのマイクプリの使い道としては・・・

BEHRINGER MIC2200 Ultragain Pro⒈7kHz〜3kHzをブーストさせる目的で使用します。スネアとかはこれでいい感じに前に出てくれますが、低域の音痩せがあるのでミキサーのEQでブーストさせる必要があります。
とりあえず、低域はベースシンセで補う形の曲であれば問題ないので”そういった曲”を作るときに使うマイクプリという感じでジャンル固定で使っています。

ART TPS II はベース用。
当初の思惑とは違いますが、ベース用として使ってみたらすごく良かったです。低域を違和感なく歪ませるのって面白いです。


実はアレヒのミキサーを修理に出していまして、今日取りに行く予定です。ルーティングなどで試してみたいことがいろいろあるのですが、まだ結論が出ていません。購入して日が浅いのもあるので別の機会にでも試した結果を紹介したいと思います。




そうそう、すごく良いものを見つけまして。


これはテープの感じを再現しているのだとか。テープで録音した経験がないので再現についてはよくわかりませんが・・・Digitaktを通したときの音は素晴らしかったです!

しかし、う~ん。

これ買うならiPadを買う。