2012年7月6日金曜日

Ambient by Kick.S


 あの時自然の中で空を見上げて。

 遠くから聞こえてくる滝の水しぶきに濡れた石と岩。広い砂利道の上には、白い小さな石がいくつも並び、誰もまだ通ったことのない道を作っていた。
 比較的まだ明るい谷間には、疲れきった古い木が倒れている、その横には道をふさごうと立つ若い木がある。V字型の谷間の先には、さらに薄暗い細い道があった。
 私の足音しか聴こえない狭い空間の中。いつのまにか川の音は聴こえなくなり、鳥の鳴き声だけが聞こえてくる。
 狭い狭い谷の奥
 私は平らなところを見つけてその場所を寝床にした。
 真夜中に、鹿の足音で目を覚ます。目を開けた瞬間の、一瞬だけ見える孤独は私の心を強く締め付ける。
 ホタルの光の中で焚き火に火をつけるが、火をつけた瞬間にホタルの光は消えてしまった。
 
 空を見上げると月明かりがすべてを照らしていた。
 
 あの時自然の中で空を見上げて。