2012年9月18日火曜日

Acid 2012


 私たちが生まれる前から聴こえてくるもの。
 私たちが生まれる前から鳴り続けていたもの。
 とらえようのない知らない世界で、繰り返し再現されるもの。
喜び、悲しみ、彼らの思いは空から舞い降りる雪のように静かに落ち、冷たい空気のなかで絶えず語りかけている。いずれはとけて消える運命を知りながら。
 私たちはいつの間にか耳を傾けることを忘れてしまい、聴こえる運命を忘れてしまった。子供の頃に、親とはぐれて感じる悲しみと寂しさのように足元の見えない暗闇をさまよう。
 しかし、人はいつでも、どんな時でも、耳を傾けることが出来る。
 静かに目を閉じて、手に付く物が何かを理解する必要もなく。
 静かに目を閉じて、感じ取るがままに繰り返し再現する。
 とらえようのない知らない世界で私は聴いたままに再現する。