先日紹介しましたが、PC乗り換えをしました。
その乗り換えのきっかけを作ったのがFL STUDIO 20です。
せっかくなので私の個人的思考も含めて紹介しておきます。
いまのところFL Studio 20は4種類のダウンロード販売があります。
・Fruity
Basic melody & loops creation
99.00 USD
・Producer
Full song creation & mic recording
199.00 USD
・Signature
Full song creation & extra plugins
299.00 USD
・All Plugins Bundle
Complete access all unlocked
899.00 USD
スペック比較リンク
Wavesの値下げアピールからするとどれも一見高いように見えますが、4種類ともincluding Lifetime Free Updates(生涯アップデート無料)が付いてきます。
私はProducerをずっと(10年以上)使っていますが今回のアップデートも無料でした。
・ 簡単にまとめると ・
・Fruity
オーディオインターフェイスを使って録音しない。とりあえずループを作って曲は別のDAWで作る。安くすませたい。
そもそも曲が作れないのでおススメはしません。
「いや、Loopを鳴らしているだけですがこれは曲です」と主張するなら別ですが?
・Producer (私はこれです)
一番大きいのはEdisonが追加されることなのですが、DigitaktやElectribe SXのサンプル整理をするのに活躍しています。
過去記事:http://electronica-mini.blogspot.jp/2018/02/fl-studio.html
ステレオをモノラルに1クリックで変換、そして16bit/44.1kHzのデータを簡単に作れるのが便利です。DAWを使って曲を作らない私がなぜFL Srudioを使い続けるのかというとEdisonがあるからです。
次におススメなのがMaximus。
後で少し触れますが、とりあえずプリマスはこれ1つあれば終わります。
・Signature
ボーカル、ギターなどの録音をする方におススメです。
Producerと違ってPitcherやNewToneが追加されます。
あとGross Beatという面白いスライサーのような物が追加されるのですが、ソフト系を使うことがない私が、、、なぜか買ってますw
例えばシンセの音をオーディオインターフェイスを通して録音し、DAW内で加工スライスして制作する方はProducerよりもSignatureの方がイイかもしれません。
使いこなしている方ならPlaylist上でスライスしてパターンを作ることが出来ると思うのでProducerでも問題ないかと思いますが、Gross Beatがあったほうが便利です。
・All Plugins Bundle
FL最強!
一生FL Studioしか使わない!
そんな方にはおススメです。
あるいはFL StudioのPluginを他のDAWで使うことがある方などです。(一部FL内でしか動作しないものがあるみたいです、詳細はスペック比較下のほうのNotesを参照)
とりあえずAll Plugins Bundleを手に入れれば、
Drumaxx
Transistor Bass
この2つが手に入るのでAcidが作れますね。
あとソフトシンセで面白いのは、
Harmor
Sakura
ですが、こちらも・・・なぜか買ってますw
特にHarmorは声ネタを入れてコードで鳴らすことが出来るのが面白いです。追加購入になりますがプリセットパックが魅力的で例えば・・・
VEELA Vocals
LollieVox Vocals
などは面白そうです。
多少Harmorを操る知識が必要ですが、声ネタを持っているならそれを使うことも出来ます。
※Transistor BassはFL Studio内で動作。
HarmorはWinのみ動作。
私がProducerを使っているのは基本的にPCで制作しないのと、欲しいものがあれば追加で手に入れればいいだろうと考えているからです。
最近気になっているのがTransient Processorなのですがこれは面白そうです、財布の紐が緩む日が来るのでしょうか?
ところでFL Studio 20はMacで使えるようになりましたが、まだ使えないプラグインがあるようです。使える or 使えない一覧。
https://www.image-line.com/flstudio/win-mac-compare.php
我が家にリンゴマークが入るのはまだ先な予感。
・FL Studio 20を新しいPCへ・
FL Studio 20のダウンロードは簡単。
新しいPCからソフトをダウンロード。
https://www.image-line.com/downloads/flstudiodownload.html
FL Studioを立ち上げたら左上にある[HELP]→[About]を選択。
次にニンジン?フルーツマークの↓にある入力画面でImage lineのアカウントを入力するとアンロックが可能です。
すごく簡単になりました。
・Studio Oneを試してみる・
最近Studio One 4が出て気になっていたのですが、30日間の無料体験版があるということで試してみることにしました。PC乗り換えのついでです。
Studio Oneは以下の3種類から選べます。
・Studio One Professional
・Studio One Artist
・Studio One Prime
Studio One Primeはそのうちフリーで手に入れることが出来るようになるみたいです。30日間の無料体験版はProfessionalになりますが、期限が来るとPrimeになるようです。
将来的にはマスタリングソフトとして使うつもりなのでStudio One Professionalを選択するかもしれません。まだ考えていますが・・・。
Professionalを選択する理由としてはMultiband Dynamicsが付いてくることです。
これが使えるだけでも価値があるんじゃないかと思っています。
もちろん、マスタリング用に考えられたシステム(プロジェクト)が入るというのも選択する理由になっていますが。
・Studio OneにFLのソフトを入れる
Studio OneにMuximusを入れるときに少しつまずきました。備忘録程度に書いておきます。
もともとFL Studio 20にMuximusが入っているのですが、どうやらStudio Oneでそこへ紐づけしても読み取ってはくれないみたいです。あるいはFL内に入っているVSTはFL内だけで使えるということみたいです。
そこでVST用のフォルダをDドライブに作りました。
・PC/ローカルディスク(D)/Pluginsです。
ソフトはここのリンクからダウンロード。
ダウンローダーを使ってフォルダにソフトが入ったら、次はStudio Oneのスタート画面でショートカットキーのCtrl+ ,を押すか左上のStudio Oneタブにあるオプションを選択。
そしてオプション画面のロケーションを選択。
・Studio OneとFLの比較
さっそくいくつかテストをしてみました。それぞれ1曲だけをマスタリングしています。使う曲は最近公開しましたAcid 3030%の最後の曲でX1307(リンクは録音の様子です)を使います。
全曲を聴くのは大変だと思うので3つにカットして編集しています。
1)FL Studioでマスタリング
以下、それぞれの手順を紹介します。
1)FL Studioでマスタリング
普段、リリース用に使っているセットです。Acid 3030%のマスタリングは以下の内容と同じです。
F6 Stereo

ピークカット(耳が痛くなる帯域をリアルタイムにカット)
狭いQ幅で見つけたピークポイントをRANGEを最大まで下げてTHRESHOLDを下げていくことでピークカットをしています。そのため音が出てない状態ではEQの表示は平らになります。
Maximus

低域と高域を持ち上げ、MS処理もしてローカットもするのでここでプリマスは終了です。
L316 Stereo

ここで最終仕上げ。自分で作ったデフォルトでは50~100Hzを持ち上げています。元の音に芯がないとここを持ち上げてもブヨブヨした音になってしまうので注意。
必要に応じて5kHz前後を持ち上げたり下げたりしています。なおここでは2dB以上を上げ下げしないようにしています。
左上のThresholdの設定はAttenのメーターを見て3.0以上にならないようにしています。3.0の数字はSSではAttenのメーターの下に0.0と出てますが、ここを再生しながらクリックするとリアルタイムに表示されます。
Out Ceillingは-0.2に下げています。
-0.2にするのは王道らしいです。
あとはReleaseですが、Release CharacterをL3 - WideBand ARCにしています。ARCとは(Auto Release Control)の略で自動でリリースをコントロールしてくれるそうで、けっこう気に入っています。
VoxengoSPAN
最近、マスタリングする時にこれがないと心配になってしまいますw
2)Studio Oneのソフトだけでマスタリング。
お試し版にはStudio Oneの優秀なソフトが付いています。せっかくなので使ってみました。
Dual Pan
アナログレコーディングの宿命。どうやっても左右バランスが違うんですよね。このソフトを使って調整しました。
Level Meter
で、左右のレベルを見るためにこちらのメーターを使っています。
EQだけはWavesのF6を超えるものがないのでF6を使っています。使い方はFLのときと同じです。
Multiband Dynamics
このマルチはすごく使いやすいです。非常にナチュラルで自然です。Maximusのときと同じく低域と高域を持ち上げました。
(あとで気づきましたがナチュラルと自然は同じ意味ですね、、、面白いのでこのままにしておきます)
Spectrum Meter
Studio Oneでは物が古いためなのかVoxengoSPANを読み取ってくれませんでした。そのためSpectrum Meterを使いましたが慣れるまで時間がかかりそうです。
ただ、表示が細かいのとAnalysisの種類が豊富なので面白そうです。特に鍵盤が表示されるアナライザは使えそうです。
ここまでがソング画面での編集です。
マスタリングに入る前にリミッターを通してもよかったのですが、今回は通さずに進めます。
まずは左上のソングタブを押してプロジェクトに追加を選択。
プロジェクトを選択すればプロジェクト画面に移動して、プロジェクト画面で先ほどソング画面で編集した音源を聴くことが出来ます。
もうマスタリングに必要なものがそろっているので文句の言いようがないです。ユーザーの意見が反映されているんでしょう。
例えば3つの曲があってそのうち1つを編集したいという場合、トラックの上で右クリック。
ソングを編集を選択すると。編集したいソングの画面に戻ることが出来ます。
あとは編集した後にまた左上にあるソングタブのマスタリングファイルを更新を押して、、、
右上のプロジェクトボタンを押せばプロジェクト画面に戻れます。
プロジェクト画面では仕上げにLimiterを使いピークを上げました。

※Studio One Artist & Primeではこのプロジェクトページが使えません。そのためプロジェクトを使うにはStudio One Professionalを買う必要があります。
後で気づいたのですが、これくらいのソング編集であればわざわざソング画面を使わなくてもプロジェクト画面だけでマスタリングをすればスッキリしたと思います。
ただFL Studioと違ってStudio OneだとF6のオートメーションが使いやすいので、こだわるらならソング編集を入れるスタイルがいいみたいです。
3)Studio OneにMuximusを入れてマスタリング。
基本的にはFL Studioで使っていたマスタリングソフトをStudio Oneで使うということになります。そのため紹介は省きます。
Dual Pan & Level Meter

F6 Stereo
Maximus
L316 Stereo
やはりここではプロジェクト画面のグラフィックが見やすくてすごく便利です。
・マスタリングソフトとしてのStudio One・
ここまでFL Studio とStudio Oneを比較してきましたが、Studio Oneの音の良さには驚きました。今回の比較ではStudio Oneの中でミックスをしていませんので、DAW内でミックスをする方ならさらに違いが出てくると思います。
付属のソフトも質がいいので普通に使えます。
ただ、個性の強いFLのソフトに比べるとおとなしい、、、大人なソフトになってますが・・・。
プロジェクト画面もよく出来ています。ひたすらアルバムを作る私にはこのStudio Oneが魅力的に見えてきました。
PCで制作はしないのですが、するとしたら・・・
FL Studioで曲を作って、ミックスダウンとマスタリングはStudio Oneを使う感じになると思います。
購入しましたらまたいろいろと記事を書いてみたいと思います。