2018年10月12日金曜日

Digitakt Slicer


 Digitaktをスライサーのように使うという発想はずいぶん前からあった。



 そして、完成度を高めるべく時間をかけて整理していたがいい具合に煮詰まってきたので紹介する。

 ちなみにこれは玄人向けの話になる。そのため人によっては何を言ってるのかわからないってなるだろうから注意が必要だ。しかし、理解できなくても私生活に影響は無いので安心してほしい。


 Digitaktはサンプルの長さ(Length)を120.00で分割している。つまりどの長さのサンプルを入れても120.00で分割できるということになるわけだ。

 ここまで言って何をしたいのか分かった人はスゲーな。
 とりあえずもうこの記事を見る必要はないだろう。



 ところでOctatrackにはスライサー機能がある。
 Octatrack雑感(過去記事)を読んだ人は解ると思うが、Octatrackでリズムを組むというのはDigitaktでリズムを作るのと比べて劣る場面が多い。

 そのため私は、
 Digitakt=リズム&MIDIシーケンス専門
 Octatrack=フレーズ録音&ループ再生専用
 という使い分けをしている。

 つまり曲を作るときにDigitaktでスライサーのようなことが出来るとOctatrackで出来るよりも私にとってありがたいって話になる。







  プロジェクトの作成 

 新しいプロジェクトを作成する。

 私はわかりやすい名前にしている。

 で、サンプル設定でRAM画面を表示させて、デフォルトで登録されてるサンプルをRAMから消しておく。


 これはしなくてもいいがやったほうがわかりやすい。






  スライス設定 

 まず最初に16ステップをスライスする設定を紹介する。

LENの長さを7.5にする。
 やってみるとわかると思うが、Digitaktは0.00単位で数値が変わっているのに実際はそれよりもさらに細かく動いているように見える。
 だから何だって言われそうだが地味にすごいことだからとりあえず言っとく。


AMP設定

 次にエンベロープの設定だが、[AMP]のHold Time(Bノブ)をNOTE(時計回り最大)にする。リリースは5くらいでいいだろう。


スタート位置設定(画面左下
 グリッドレコーディングモードにして16ステップ全てにトリガーをする。


 そして(Eノブ)を回すことでスタート位置を変更できるが、
 各ステップでパラメーターロックをしながらそれぞれ以下の長さでスタートタイムをずらしていく。例えばステップ8ならスタート位置を52.5というふうに。

ステップ / STRT
 [] / 0.0
 [] / 7.5
 [] /15.0
 [] /22.5
 [] /30.0
 [] /37.5
 [] /45.0
 [] /52.5
 [] /60.0
 [10] /67.5
 [11] /75.0
 [12] /82.5
 [13] /90.0
 [14] /97.5
 [15] /105.0
 [16] /112.5

 これで再生すれば16ステップにスライスされたオーディオを聴くことができる。そもそもなんで7.5なのかというと120を16で割り算しただけのこと。


 ちょっとしたタイムストレッチのようなことが出来るが、サンプルによってはスライス位置を調整する必要がある。特に”よれよれ”なリズムループだと調整が難しい。そんなときはBPMを60くらいにしてスライスタイムを調整するといい。





  応用1

 上で紹介した方法が理解できれば次の段階にステップアップできる。

 ここではスライス専用のプロジェクトを作成することで、RAMのサンプル登録システムを生かしてループのスムーズな変更を可能にしている。
 要するにDigitaktにスライサーのような特殊機能を作る作業になる。



ステップ数を8ステップにする
 あとでパターンを2つ作りチェインすることで16ステップにする。



LENの長さ設定

 [TRK]を押しながら[SRC]のレングス(LEN)を設定する。基本は7.50だが、サンプルによっては7.52くらいなど変更するのもいい。[AMP]レングスをノートの長さにしてリリースは5にする。ここは上のときの設定と同じだだが、8トラック全てに適用するという違いがある。




全てのトラックで同じサンプルを選択
 [TRK]を押しながらサンプルの選択をするが、001を選ぶ(何もない状態)



各トラックごとに7.5ずらす
 スタート位置は上で紹介したステップ1~8までの数字になるが、この場合はステップごとではなく各トラックごとになる。
 例えばトラック5ならスタート位置は30.0という感じで。


各トラックごとのトリガー
 次は各トラックごとにトリガーを入れていくが、1〜8のトラックがステップごとに順番にトリガーされるようにする。例えばトラック2はステップ2でトラック3ならステップ3、トラック4はステップ4・・・という感じ。



パターンのコピペ
 いま作ったパターンをコピーしてもう一つ作る。
 で、コピーで新しく作ったパターンのスタート位置を変えるのだが、このときトラック1で[TRK]を押しながらスタート位置を60にすればOK。
 こうすれば1~8のトラックは最初のパターンと違って60ズレたスライスパターンになる。



パターンチェイン
 2つのパターンをチェインしてつなげる。


 最後にループ用のサンプルを選べばいい。




 完成するとこんな感じだ。


 グローバルミュートを活用すれば面白いことになる。
 ここで紹介した方法はあとで紹介するエフェクターのような使い方を可能にするため、パラメーターロックによるスライスと違い比較的柔軟なサンプルスライスが出来ると言える。






  応用2 

 次の方法はサウンドブラウザーへの保存を目的としているが、この機能を使うことで応用1で紹介したスライスを別のパターンやプロジェクトで扱うことができる。

サウンドブラウザへのインポート
 要するに上で作成したパターンの各トラックをサウンドブラウザへ保存するという作業。

 [FUNC]を押しながら[]ボタンを押せばショートカットできるのでここでサンプルを保存すればスムーズだ。そしてサウンドプールという場所に移動させておくといい。
 ※サンドブラウザ編集については過去記事で少し触れている。


 で、保存するときの名前だが、何ステップ目のサンプルなのかわかるように番号を入れておくといいだろう。


呼び出し(エクスポート)
 インポートが終わったら呼び出しだが、このときは普通の16ステップのトラックで呼び出せばいい。





  応用3 

 32分割のスライサーを作ることが出来る。
 レングス設定で2倍の速度にして、
 パターンを4つチェインさせてスライスするだけだ。
 32ステップのスタート位置はこうなる。

[]  0.0
[]  3.75
[]  7.5
[] 11.25
[] 15.0
[] 18.75
[] 22.5
[] 26.25
[] 30.0
[10] 33.75
[11] 37.5
[12] 41.25
[13] 45.0
[14] 48.75
[15] 52.5
[16] 56.25
[17] 60.0
[18] 63.75
[19] 67.5
[20] 71.25
[21] 75.0
[22] 78.75
[23] 82.5
[24] 86.25
[25] 90.0
[26] 93.75
[27] 97.5
[28] 101.25
[29] 105.0
[30] 108.75
[31] 112.5
[32] 116.25

 ただしここまで細かくするとスライスが微妙なことになるため使い道が思い浮かばないリズムが完成する。






  ステップアップ 

 このスライサー機能は少し頭をひねれば特殊エフェクターを創造出来る。ループ機能を使ったスライサーエフェクターと言える。

 他にも色々とアイデアがあるのだが・・・あれもこれも言うとややこしいだろう。興味のある人は自分で発掘してみるといい。