2018年12月3日月曜日

ARP Odyssey まとめ

昨年ARP Odyssey(新しいほう)を手に入れました。そして、思いの外私に合っているようで四つ打ち以外の曲でけっこう使っています。

ここでは簡単にARP Odysseyの特徴をまとめたいと思います。





❙ 導入のきっかけ ❙

そもそも必要最低限のアナログシンセは持っていて、手元にある物を言うとMS20、ANDROMRDA A6、MIDI MINIの3つ。そうそうxOxbOxもアナログ。で、これ以上は必要ないだろうと考えていました。
実際、10年前にMIDIMINIを手に入れてからは一通りほしい音が作れるようになり、これ以上増やす気はありませんでした。

ただし目移りするものはあって、Arturia MiniBruteは視聴したときのフィルターとドライブが印象的で今でも耳に残っています。フィルターとドライブ部分だけエフェクターとして出して欲しいと思っているのですが、Mk2をみるとそれぞれ単独で使えるみたいで面白そうです。
実際にMiniBrute 2を触ったことはあるのですが「ん~」という感想になっています。触るまではDoepferのDark Energyのような音をイメージしていたのですが・・・。
音とは関係ないですがMk1と比べてサイズが大きくなっているのが印象的でした。たぶんモジュール用のラックを取り付けられるように設計したためあのサイズになったのでしょう。以前のサイズが良かったのですが?


もう一つはKorg monologueでこれはマイクロチューニングが魅力的です。ただ、音がどうもシックリこなくて、2日ほどかけて試奏してみましたが「手持ちのシンセで十分かなぁ」という結論になっています。
それでもマイクロチューニングは魅力的でそのためだけに買うのもありではないかと思っています。なにせそんなこと出来るアナログシンセは他にないですから!


ARP Odysseyの話に戻します。
そんな感じで次の一台という考えは無かったのですが、去年たまたま音を聴く機会があった時「これはすごい」ってなりました。自分でも驚くほど気が変わるのが早い。
もともとARP Odysseyはコレクターアイテム化している印象を受けているのでそれほど興味は無かったのですが、KORGによってリニューアル?されて手に入りやすくなったため印象が変わりました。それにMIDIが付いて音源として使えるようになったのも良かったです。


こちらはARPが作った?動画ですが、なるほどって思いましたので紹介します。

英語がわからない人は右下の設定で日本語字幕を出すことが出来ます。



手に入れてから少し”こなれて”来た頃に作った曲です。

頑張って鍵盤たたいてます、はい。
たしかライブ前くらいに・・・「ライブの仕込みに飽きたので気晴らしに1曲作っておこう!」と勢いで作ったやつですこれ。曲聴いて思い出しました。





❙ 操作系 ❙
ここではARP Odysseyの特徴的な部分を紹介します。

・3つのフィルタータイプ

フィルターの横にⅠⅡⅢのスイッチがあって、それぞれRev1、Rev2、Rev3の3つフィルタータイプを選択することが出来ます。

そしてそれぞれの印象としては・・・

Rev1:レゾナンスを上げるとドライブして悪目立ちするところが気に入っています。

Rev2:レゾナンスが効き始める位置が上にあるのが特徴で、低域の音の盛り上がりがあるためBass用としてよく利用します。

Rev3:レゾナンスが下から上まで安定してかかるのが特徴。

という感じです。



・ドライブスイッチ
オリジナルには無い機能だそうです。ドライブにありがちな変化や癖がなくて使いやすい歪みなので私は常にONにしていることが多いです。


・ポルタメントスイッチ
PORTAMENTOとTRANSPOSEの間にMODEという青色のスイッチがあって、ここを押す(ペンを使って)ことで2種類のポルタメントモードを選ぶことが出来ます。
TRANSPOSEのレバーを動かしたときにポルタメントが”かかる”か”かからない”かをON/Offで選べるわけですが、私は効果が面白いので常にON(奥へ凹んだ状態)にしています。


・リアパネルの設定

リアパネルの”GATE OUT”と”TRIG IN”を付属のケーブルで接続するとレガートに設定することが出来ます。つまり鍵盤を押すたびにエンベロープがトリガーされないってことです。



ヘッドフォンアウトを外部INにつなげた状態でヘッドフォンボリュームを上げるとフィードバック量を調整出来ます。だいたい70%くらいでいい感じになります。

動画の後半でBIG MUFF(ロシアマフ)をフィードバックの間にかませていますが、こうすると低域が付加された良い感じのベースになります。


・ADSR・ARのループ
最近のシンセでADSRをループさせる設定はあまり見かけません。LFOのほうが使いやすいため消えていったのでしょう、たぶん。ただ、古いシンセはこのようにループさせるものが多いように思います。





❙ セッティング ❙
このOdysseyの見た目はムーグ畑で育った人にとっては分かりにくいレイアウトです。それでも使っているうちに分かりやすい配置だと感じるようになりますが、そのためには一番下のスイッチを理解することが重要だと思います。
そして、Moogなどと比べてARP Odysseyは全体的にモジュレーション系の音が得意です。


・基本設定
公式にはこれが基本という設定はないため私の基本設定を紹介します。


まずVCO1をチューニングをします。メモリがありますがこの位置にスライダーを合わせると基準音になるみたいです。
私は携帯アプリのチューナーを使っていますが、これオススメです↓

そしてVCO2は1オクターブ下にチューニングします。
このときチューナーを使っても良いのですが、こんな方法もあります。

まず鍵盤の1オクターブ上下を押さえます。
この状態だとVCO1は下の鍵盤、VCO2は上の鍵盤の音が出ます。
そして、波形を同じにして・・・
VCO2のチューニングを下げていき”うねり”がなくなる位置で止めます。これで1オクターブ下のチューニングが出来ます。


VCO1はノコギリ波、VCO2はパルス波を選択します。

モジューレーションはかけないのでVCO1,VCO2のスイッチやスライダーはすべて下にしています。LFOも同じです。

フィルターへアサインするモジュレーションタイプはADSR、アンプにはARを選びます。もし、アンプにADSRをアサインするとこの設定だとタイトな音になりますが、私はARタイプをよく使います。

ここまでくれば基本の音を聴くことが出来るでしょう。






- 基本設定から特徴のある音へ -
上で紹介した設定を基準にして音作りをしていきます。

1)オシレーターシンク

オシレーター2のシンクスイッチをONにしてモジュレーションをいじっていますが、特徴的な音と低域の太さが良いです。
フィルタータイプをRev1にしてRING MODのスライダーを上げていくとさらに面白い音になります。

オシレーターシンクが出来るシンセであれば似た音を出せるのでANDROMRDA A6で同じ音を作ってみました。

ARP OdysseyよりもANDROMRDA A6のほうが音の幅は広いです。



2)リングモジュレーター
倍音が増えるのが特徴のリングモジュレーターですが、ARP OdysseyではLFOやループを使うことで効果音として面白い音を出すことが出来ます。





【補足】
VCOの横にRING MODスイッチがありここをONにしてスライダーを上げていくとリングモジュレーションの独特な音へと変化していきます。



VCA GAINというスライダーを上げると鍵盤を押さなくても音を出し続けることが出来るようになります。


LFOのトリガータイプには”LFO TRIG”と”KYBD TRIG”の2つのトリガータイプを選択することが出来ます。
LFO TRIG”はそのままLFOのトリガーでモジュレーション変化をしますが、”KYBD TRIG”の場合は鍵盤を押した瞬間のLFOの値を固定したモジュレーションがかかります。


エンベロープジェネレーターの下にKYBD REPEATAUTO REPEATの2つのスイッチがあります。

それぞれ・・・
KYBD REPEAT:鍵盤を押すとLFOのタイミングでADSR or ARがループするという設定。

AUTO REPEAT:鍵盤のトリガーに関係なくLFOのタイミングでADSR or ARがループするという設定。

になります。





❙ 最後に ❙
極論を言ってしまうとARP Odysseyで作れる音はANDROMRDA A6でも出せます。ただし音の質感の違いまでは再現できませんが。

ではなぜよく使うようになったのかと言うと、なんと言ってもアナログデュオフォニックシンセが珍しいからです。ARP Odysseyと同じデュオフォニックシンセはいくつかありますが、それでも種類は少なくてあまり見かけません。
デュオフォニックシンセは鍵盤を2つ押さえるとOSC1とOSC2で別々に発音するわけで、このことがものすごく想像力を掻き立ててくれます。これが面白いんですよ。





❙ 参考 ❙
メーカーサイト
https://www.korg.com/jp/products/synthesizers/arpodyssey/

ARP ODYSSEY パッチ・ブック
https://www.korg.com/jp/support/download/manual/0/435/3603/
(ソフトシンセのパッチブックですが、セッティングが見やすいPDF画像なので音作りの参考になると思います)